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荻原歯科ブログ

インプラントのデメリット8つと後悔しないための判断基準

インプラントの最大のデメリットは、費用が全額自己負担になること、外科手術が必要になること、そして治療が終わったあともメンテナンスが一生続くことの3つに集約されます。噛み心地や見た目の満足度が高い治療法である一方で、引き受ける負担が他の選択肢より大きい点は見過ごせません。

この記事では、当院が普段患者さんに説明している内容を整理し、デメリットを公的機関の統計や学会の調査データと突き合わせながら、実際にどのようなトラブルが起きているのかまで踏み込んで解説します。読み終わったときには、「自分は受けるべきか、やめたほうがいいか」をご自身の言葉で判断できるはずです。

 

この記事の監修者

荻原歯科 院長 荻原康平

院長荻原 康平おぎはら こうへい

荻原歯科(東京都足立区伊興)/インプラント・オールオン4

略歴

  • 私立暁星高等学校 卒業
  • 日本大学歯学部 卒業
  • 日本大学歯学部付属歯科病院口腔外科 勤務(専修医)
  • 公立昭和病院口腔外科 非常勤
  • 久野歯科医院 非常勤(埼玉県草加市)

資格・所属学会

  • PLATON Implant JAPAN 指導医
  • PLATON Implant System Certified Expert
  • PLATON Implantsystem basic course 修了・certificate 取得
  • PLATON Implantsystem advance course 修了・certificate 取得
  • 日本口腔インプラント学会認定講習会 100時間コース修了
  • インビザラインドクター
  • 日本口腔外科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • NPO法人 埼玉インプラント研究会

インプラントのデメリットは大きく8つ

インプラントのデメリットは、費用、期間、手術、全身状態、メンテナンス、感染、違和感、修理の難しさの8項目に整理できます。どれか1つでも受け入れられないものがあるなら、無理に選ぶ治療ではありません。

順番に見ていくと、ほとんどの項目は「事前に知っていれば対処できるもの」と「治療法の性質上どうしても残るもの」に分かれます。たとえば費用は医療費控除やデンタルローンである程度やわらげられますが、外科手術が必要であるという性質そのものは変えられません。この線引きを最初にしておくと、あとの判断がぶれにくくなります。

なお、インプラントに相応のメリットがあることも忘れないでください。公益社団法人日本口腔インプラント学会は、残っている歯を削らずに済むこと、しっかり噛めること、取り外しの手間がないことを利点として挙げており、10年間機能したインプラントが95%あったという文献も紹介しています。デメリットだけを見て判断するのではなく、両方を天秤にかけてください。

費用が高く、保険が使えないという壁

インプラントは原則として保険適用外の自由診療であり、費用は全額自己負担になります。腫瘍や外傷で顎の骨を大きく失った場合など、ごく限られた条件でのみ保険が使える例外があるものの、歯周病やむし歯で歯を失ったケースは対象外だと考えてください。

当院のインプラントは、埋入手術が22万円、上部構造と呼ばれる被せ物が11万円で、1本あたり合計33万円(すべて税込)からご案内しています。上部構造の材質によっては60万円(税込)まで変わります。骨の量が足りない場合はソケットリフトが5万5,000円、GBRと呼ばれる骨造成が5万5,000円から22万円、片顎のサイナスリフトが15万円と、追加の費用が発生する可能性も否定できません。総額が見えないまま治療に入ると後悔につながるため、当院では検査結果を見たうえで追加処置の要否と金額をあらかじめお伝えしています。

負担を軽くする現実的な手段は医療費控除です。国税庁は、歯科医師による診療または治療の対価のうち、一般的に支出される水準を著しく超えない部分は医療費控除の対象になるとしています。確定申告で所得税と住民税が戻る仕組みですから、領収書は必ず保管しておいてください。

治療期間が長く、その日のうちには終わらない

インプラントは、埋め込んだ人工歯根が顎の骨と結合するのを待つ必要があるため、治療期間が数か月単位になります。当院では骨結合、いわゆるオッセオインテグレーションの待機期間をおおむね3か月と見込んでおり、そこに検査、手術、型取り、装着の工程が加わります。骨造成を併用する場合は、さらに数か月延びることも珍しくありません。

ブリッジなら数週間、入れ歯なら1か月ほどで完成することを考えると、この差は小さくありません。転勤や結婚式など、期限が決まっている予定がある方にとっては、期間そのものがデメリットになります。待機期間中は仮歯で過ごしていただくため、見た目の問題が長く続くわけではないものの、噛める状態に戻るまでには時間がかかるとご理解ください。

外科手術に伴うリスク

インプラントは歯ぐきを切開して顎の骨に穴をあける外科手術ですから、腫れや痛み、出血、そしてまれに神経や上顎洞に関わる合併症が起こる可能性があります。どのようなトラブルが実際に起きているのかは、学会の全国調査から把握できます。

日本顎顔面インプラント学会が実施した第2回調査では、2012年1月から2014年12月までの3年間に、同学会の認定118施設が後処置を担当した重篤な医療トラブルが360件集計されました。内訳は上顎洞炎が73件、下歯槽神経損傷が68件、上顎洞内へのインプラント迷入が67件、心身医学的障害が45件、オトガイ神経損傷が33件となっています。

この調査は認定施設が対応した件数を集めたもので、全国での発生率を示すものではありません。それでも数字の並びから読み取れるのは、上位を占めるトラブルが上顎洞と神経、つまり「解剖学的な位置関係の見誤り」に集中しているという事実です。裏を返せば、術前に骨の厚みと神経の走行を三次元で把握できていれば避けられる余地が大きい領域でもあります。当院が精密CT検査を行い、初回の歯科用CT・レントゲン検査料をいただいていないのは、ここを妥協すると取り返しがつかないからです。

手術中の痛みについては局所麻酔で抑えられますが、恐怖心が強い方や嘔吐反射の出やすい方には静脈内鎮静法という選択肢があります。当院では静脈内鎮静法を別途165,000円(税込)でご用意しており、半分眠っているようなリラックスした状態で手術を受けていただけます。術後の痛みや腫れがどのように経過するのかは、別の記事で詳しく整理しました。

治療後も一生続くメンテナンスの負担

インプラントは入れて終わりではなく、定期的なメンテナンスを続けられない方には向きません。人工歯根は虫歯にはならないものの、天然の歯より感染に弱く、清掃が行き届かないとインプラント周囲炎という炎症を起こして骨が溶けていきます。

独立行政法人国民生活センターが2019年3月に公表した調査は、この負担が軽視されている実態を示しています。全国の消費生活センターに寄せられたインプラント関連の危害相談は、2013年度以降の約5年間で409件、毎年度60件から80件のペースで発生しています。経験者へのアンケートでは、手術中や手術後のリスクについて、口頭の説明に加えて書面まで渡された方は4人に1人で、4割程度の方がメンテナンスを受けていないという結果も出ています。

では、インプラント周囲炎はどれくらいの頻度で起きるのでしょうか。実は、診断基準によって数字が大きく動きます。日本歯周病学会会誌に掲載された総説では、同じ患者群でも診断基準を変えるとインプラント周囲疾患の有病率が5.4%から20.4%まで変化したという報告が紹介されており、あわせて、糖尿病でオッズ比2.5、プラークコントロール不良でオッズ比3から14という報告も紹介されています。ただしこの総説は、これらを原因と断定できる段階ではなく「リスクインディケーター」にとどまるとしており、血糖コントロールが良好な糖尿病の方ではリスクが高まらないとも述べています。それでも、口腔清掃の習慣が整っていない状態でインプラントを入れることに相応の懸念があることは、押さえておいてください。

当院が生涯保証を6か月に1度のメインテナンス受診を条件としているのも、同じ理由からです。通院を続けていただくことが、結果的にいちばん安く済む道になります。

不安な点を残したまま手術日を決める必要はありません。当院では30分の無料カウンセリングを設けていますので、まずは疑問をぶつけてみてください。

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インプラントを避けたほうがよい人

全身の状態や生活習慣によっては、インプラントをやめたほうがよい方、あるいは条件を整えてからでないと手術できない方がいます。顎の骨の成長が終わっていない未成年の方、重度の糖尿病で血糖コントロールが不良な方、骨粗鬆症の薬を服用中の方、重い心疾患をお持ちの方などが該当します。

喫煙者の方も例外ではありません。日本口腔インプラント学会は、喫煙者ではインプラントの残存率が低いとして、減煙または禁煙してからの治療をすすめています。骨の量が足りない場合は骨造成を先に行うことになり、費用も期間も上乗せされる点にご注意ください。

失敗を避けるうえで見落とされがちなのが、服用中の薬とお薬手帳です。先ほどの国民生活センターの事例には、インプラント治療のリスクが上がる骨粗鬆症の薬を服用していたにもかかわらず治療されたという相談も含まれていました。全身状態を正確に伝えることは、患者さん側にできる最大の失敗対策です。当院の院長は、問診で持病と服薬の申告に曖昧さが残る場合、内科の主治医に照会してから手術日を組むようにしています。

入れ歯やブリッジと比べたときの損得

インプラントのデメリットは、単独で見ると重く感じますが、他の選択肢と並べると評価が変わります。ブリッジは両隣の健康な歯を削る必要があり、入れ歯は取り外しの手間と噛む力の低下という代償から逃れられません。どれを選んでも何らかの代償を払う構図になっているとご理解ください。

判断の軸をひとつに絞るなら、「残っている歯を今後どれだけ守りたいか」に置くのが実務的です。隣の歯を削らずに済むという性質は、10年、20年という時間軸で効いてきます。逆に、数年以内に他の歯も失う見込みが高い場合は、将来の設計変更がしやすい入れ歯のほうが合理的でしょう。歯を失った本数が多い方には、少ない本数のインプラントで全体を支える選択肢もあります。

デメリットを小さくするために当院が行っていること

当院の方針は、デメリットを隠さずお伝えしたうえで、そのうち減らせるものを設備と体制で減らすことです。院長は2015年から2025年までにインプラントの埋入を5,000本以上手がけており、その経験から、事故の芽が出やすい工程に人と機材を集中させています。

具体的には、術前の精密CT検査を行っており、初回の歯科用CT・レントゲン検査料はいただいていません。国産のプラトンインプラントを採用しており、院長はプラトンジャパン公認のインプラント指導医として認定を受けています。国内メーカーのため、部品の供給が将来にわたって続く体制です。手術には歯科技工士が立ち会います。恐怖心が強い方には静脈内鎮静法を併用することもできます(別途165,000円・税込)。そして、6か月に1度のメインテナンスを受けていただくことを条件に、生涯保証をお付けしています。

修理のしにくさというデメリットについても、部品が入手できることと、施術した歯科医院が記録を持ち続けていることが前提です。転院すると誰がどのメーカーのどのサイズを埋めたのか分からなくなり、対応が難しくなる例が実際にあります。長く通える距離にある歯科医院を選ぶことは、地味ですが有効なリスク対策になります。

よくある質問(FAQ)

Qインプラントはやめたほうがいいと言われるのはなぜですか。

A

費用が高く、外科手術を伴い、メンテナンスが一生続くという3つの負担が理由です。血糖コントロールが不良な糖尿病や重度の骨粗鬆症など、全身状態によって手術自体をおすすめできない場合もあります。

Qインプラントの寿命はどれくらいですか。

A

日本口腔インプラント学会は、10年間機能したインプラントが95%あったという文献を紹介しています。ただし100%ではなく、メンテナンスを怠れば数年で失うこともあります。

Qインプラントで後悔した人はどんな点に不満を持っていますか。

A

国民生活センターの調査では、治療費の負担が高額であること、破損、ぐらつきが不満点として挙げられていました。一方で満足度は入れ歯やブリッジより高いという結果も同時に出ています。

Qインプラントは保険適用になりますか。

A

原則として自由診療で、全額自己負担になります。腫瘍や外傷による広範囲の顎骨欠損など、限られた条件でのみ保険が使えます。医療費控除の対象にはなりますので、確定申告をご検討ください。

Q手術は痛いですか。腫れはどれくらい続きますか。

A

手術中は局所麻酔が効いているため痛みはほとんど感じません。術後の腫れは数日でピークを迎え、1週間ほどで落ち着く方が多いものの、骨造成を伴う場合は長引くこともあります。

Qインプラント周囲炎はどうすれば防げますか。

A

毎日のブラッシングと定期的なメインテナンスの継続がもっとも有効です。喫煙、糖尿病、歯周病の既往はリスクを高めますので、該当する方は事前にコントロールしてから治療に進みます。

インプラントのデメリットの相談は足立区の荻原歯科へ

デメリットを聞いたうえで納得できるかどうかは、実際にお口の状態を見てからでないと判断できません。当院は東京都足立区伊興にあり、竹ノ塚エリアからも通いやすい場所で、インプラントの無料カウンセリングを30分お取りしています。初回の歯科用CT・レントゲン検査料もいただいていません。骨の量が足りるかどうかまで含めて、その場でご説明できます。

他院で提示された治療計画に不安がある方のご相談も承ります。まずはお気軽にご連絡ください。

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参考文献

  1. 公益社団法人日本口腔インプラント学会「インプラントのメリット・デメリット」. https://www.shika-implant.org/min-implant/beginner/merit/
  2. 公益社団法人日本口腔インプラント学会「よくある質問」. https://www.shika-implant.org/min-implant/faq/
  3. 独立行政法人国民生活センター「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか なくならない歯科インプラントにかかわる相談」報道発表資料, 2019年3月14日公表. https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190314_1.html
  4. 臼田慎, 河奈裕正, 加藤仁夫ほか「インプラント手術関連の重篤な医療トラブルについて 第2回調査報告書」日本顎顔面インプラント学会誌, 16巻2号, 2017. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamfi/16/2/16_89/_article/-char/ja/
  5. 蓮池聡, 今村健太郎, 高橋慶壮ほか「インプラント周囲炎の診断・リスク因子・治療に関するエビデンスと今後の課題」日本歯周病学会会誌, 65巻3号, pp.81-92, 2023. https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/65/3/65_81/_html/-char/ja
  6. 国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
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