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歯がないまま放置するとどうなる?費用と選択肢の考え方
歯がない状態は、見た目や食事の問題にとどまりません。噛み合わせが崩れて残っている歯まで失いやすくなり、顎の骨が痩せていくため、放置している時間が長いほど選べる治療が減っていきます。とはいえ、費用のことや、歯がない口の中を見せる気まずさから足が止まってしまう方が多いのも事実です。
この記事では、放置した場合に何が起きるのかを公的なデータで確認したうえで、失った本数ごとの選択肢、費用が心配なときに確認できる制度、そして相談から噛めるようになるまでの流れを整理します。
歯がないまま放置すると起きること

歯がない状態を放置すると、失った場所だけでなく口全体に影響が及びます。まず起きるのは、空いた隙間へ隣の歯が倒れ込み、噛み合っていた相手の歯が伸び出してくるという変化です。
噛み合わせが崩れると、残っている歯の一部に力が集中します。負担が集中した歯はいずれ限界を迎え、失う歯が1本ずつ増えていくのです。歯を支えていた顎の骨も、噛む刺激がなくなると痩せていきます。
口の中だけの問題にとどまらない可能性も指摘されています。日本のレセプトデータを用いた大規模な解析では、歯科医院を受診した60歳以上の欠損歯患者662,182人を対象に、欠損1本から13本の方を基準として、14本から27本の方はアルツハイマー病のオッズ比が1.40、28本すべてを失った方は1.81という結果が示されました。
ただしこれは同じ時点での関連を調べた横断研究で、歯を失ったからアルツハイマー病になると証明したものではありません。原著自身、認知機能の低下が口腔清掃を難しくして歯を失うという逆の経路も指摘しています。調整されているのも年齢と性別のみです。
放置が長引くほど治療の選択肢が減る理由
歯がない期間が長引くと、単に治療が遅れるだけでなく、選べる方法そのものが減ってしまいます。理由は骨と隣の歯の2つです。
顎の骨は、噛む力が伝わらなくなると吸収されて痩せていきます。インプラントは骨に人工歯根を埋める治療ですから、骨の厚みが足りなくなると、骨を足す処置を追加しなければ選べなくなります。追加処置には費用も期間も上乗せされますので、早い段階なら不要だったものが必要になってしまうわけです。
隣の歯が倒れ込んでくることも問題になります。倒れた歯を土台にしてブリッジを架けることは難しく、先に矯正で起こしてから補綴に進むという遠回りが必要になる場合もあります。放置している数年のあいだに、いちばん簡単だったはずの選択肢が消えていくとご理解ください。
失った本数によって選べる方法は変わる

歯がない状態への対処法は、失った本数と位置によって大きく変わります。1本失った場合、数本失った場合、ほとんど残っていない場合では、検討すべき治療はまったくの別物です。
1本だけ失った場合は、両隣の歯を削って架けるブリッジ、部分入れ歯、そして隣の歯を削らずに済むインプラントが候補になります。数本を失った場合は部分入れ歯かインプラントが中心となり、残っている歯の状態によって本数の設計が変わってくるでしょう。ほとんど歯がない場合は、総入れ歯か、4本のインプラントで固定式の人工歯を支えるオールオン4という方法が選択肢に入ります。
どれを選ぶにしても、まず必要なのは口の中の現状を正確に把握することです。当院では初回の歯科用CT・レントゲン検査料をいただいていませんので、骨の厚みや神経の位置を確認したうえで、どの方法が現実的なのかをお伝えできます。
治療費が払えないと感じたときに確認したいこと

費用が理由で治療をあきらめる前に、確認できることが4つあります。噛める状態を取り戻すこと自体は、保険診療の範囲でも可能だという点をまず知っておいてください。
1つ目は保険診療です。総入れ歯も部分入れ歯もブリッジも、条件を満たせば保険で作れます。見た目や装着感を突き詰めると自費になりますが、噛む機能を回復させるという目的であれば保険の範囲で対応できる場合が多くあります。
2つ目は医療費控除です。国税庁は、歯科医師による診療または治療の対価のうち、一般的に支出される水準を著しく超えない部分は医療費控除の対象になるとしています。自費診療でも確定申告で所得税と住民税が戻りますので、領収書は必ず保管してください。
3つ目は無料低額診療事業です。厚生労働省の通知は、この事業が生活保護を受けている方に限らず、広く生計困難者一般を対象とするものだと明記しています。実施している医療機関は限られますので、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。4つ目はデンタルローンやクレジットカードによる分割払いで、自費診療を選ぶ場合の負担を月々に分散できます。
歯がないのが恥ずかしくて歯科に行きづらい方へ
歯がない口の中を見せることをためらう必要はありません。歯科医院にとって、歯を失った状態の方は日常的に来院される患者さんであり、驚くこともあきれることもないからです。
むしろ気にしていただきたいのは、来院が遅れることで治療が複雑になることのほうです。前の章で触れたとおり、骨が痩せ、隣の歯が倒れてからでは、費用も期間も膨らみます。「もっと早く来ればよかった」と言われる場面は実際に多く、その逆はほとんどありません。
長いあいだ歯科から遠ざかっていた方ほど、まず何をどこまでするのかを一緒に決める時間が必要です。当院では30分の無料カウンセリングをお取りしていますので、治療を決める前の段階で、現状と選択肢だけを聞いていただくこともできます。
相談から噛めるようになるまでの流れ

歯がない状態からの治療は、いきなり人工歯を作るところから始まるわけではありません。土台になる口の中を整える工程が先に来ます。
最初の工程は、無料カウンセリングでお困りごととご希望を伺うことです。次に精密検査で、残っている歯の状態、歯周病の進み具合、顎の骨の量を確認し、治療計画と総額をご提示します。虫歯や歯周病が残っている場合は、その処置を先に済ませなければなりません。ここを飛ばして人工歯を入れても、土台が崩れてやり直しになるからです。
土台が整ってから、入れ歯であれば型取りと試し入れ、インプラントであれば埋入手術と治癒期間へと進みます。取り外し式の入れ歯はおおむね1か月前後、インプラントは骨と結合するのを待つため3か月から6か月が目安です。
1本も歯がない場合に選べる方法
1本も歯が残っていない場合でも、噛める状態に戻す方法はあります。総入れ歯と、4本のインプラントで片顎を支えるオールオン4の2つが主な選択肢です。
総入れ歯は保険で作れる一方、粘膜に載せて支える構造のため、慣れるまで時間がかかり、噛む力にも限りがあります。オールオン4は顎の骨に固定しますので、ずれる心配が少なく、取り外しも不要です。当院のオールオン4は、埋入手術と上部構造を含めて132万円から330万円(税込)でご案内しています。自由診療のため健康保険は適用されません。
長く総入れ歯を使ってこられた方は、顎の骨が痩せていることが少なくありません。骨の量によってはオールオン4を選べない場合もありますので、まずCT検査で確認するところから始めます。
歯がない状態に当院ができること
当院は、取り外し式の入れ歯からブリッジ、インプラント、オールオン4までを扱い、費用と生活の両面から現実的な方法をご提案します。最初から1つに絞ってお勧めすることはしません。
インプラントを選ばれた場合は、埋入手術と被せ物を含めて1本33万円(税込)からです(上部構造の材質により60万円まで)。半年に一度のメンテナンスにお越しいただくことを条件に生涯保証をお付けしており、初回の歯科用CT・レントゲン検査料と、治療後のメンテナンス費用はいただいていません(メンテナンス費の無料には適用条件があります)。手術は局所麻酔で行います。恐怖心が強い方には静脈内鎮静法を併用することもできます(別途165,000円・税込)。
当院の院長は、2015年から2025年までにインプラントの埋入を5,000本以上手がけてきました。その経験から申し上げると、歯を失った状態で来院される方の多くが、想像していたより選択肢が残っていたと話されます。何本失っていても、まだ打てる手はあります。
なお、装置を入れたあとに通い続けられるかどうかは軽視できません。独立行政法人国民生活センターが2019年に公表した調査によると、インプラント治療の経験者のうち4割程度の方が治療後のメンテナンスを受けていませんでした。長く通える距離にある歯科医院を選ぶことも、判断の材料に入れてください。
よくある質問(FAQ)
Q歯がないまま放置するとどうなりますか。
A
隣の歯が倒れ、噛み合っていた歯が伸びて噛み合わせが崩れます。残った歯に負担が集中して失う歯が増え、顎の骨も痩せていくのです。日本のレセプトデータの解析では、歯の欠損が多い方ほどアルツハイマー病のオッズ比が高いという関連が報告されています。ただし因果関係を示したものではありません。
Q歯がないけれどお金がありません。どうすればよいですか。
A
保険診療の範囲でも噛める状態は取り戻せます。あわせて医療費控除、無料低額診療事業、デンタルローンによる分割払いが検討できますので、まず総額と支払い方法をご相談ください。
Q歯が1本もありませんが治療できますか。
A
総入れ歯か、4本のインプラントで支えるオールオン4が選択肢になります。顎の骨の量によって選べる方法が変わりますので、CT検査で確認してから判断します。
Q歯がない状態が恥ずかしくて歯医者に行けません。
A
歯を失った状態で来院される方は珍しくありませんので、気にせずお越しください。治療を決めずに、現状と選択肢だけを聞いて帰っていただくこともできます。
Q歯がないと差し歯はできますか。
A
できません。差し歯は歯の根が残っている場合に、その根へ土台を立てて被せる方法です。根ごと失っている場合は入れ歯、ブリッジ、インプラントから選ぶことになります。
Q治療にはどれくらい通いますか。
A
取り外し式の入れ歯でおおむね1か月前後、インプラントは3か月から6か月が目安です。虫歯や歯周病の処置が必要な場合は、その分だけ前段が伸びます。
歯がないお悩みの相談は足立区の荻原歯科へ
歯を失ってから時間が経っていても、選べる方法が残っていることは少なくありません。当院は東京都足立区伊興にあり、竹ノ塚エリアからも通いやすい場所で、30分の無料カウンセリングをお取りしています。初回の歯科用CT・レントゲン検査料もいただいていません。骨の状態まで含めて、その場でご説明できます。
何本失っているか分からない、費用が不安で相談しにくいといった段階でも構いません。まずはお気軽にご連絡ください。
参考文献
- Tsuneishi M, Yamamoto T, Yamaguchi T, et al. “Association between number of teeth and Alzheimer’s disease using the National Database of Health Insurance Claims and Specific Health Checkups of Japan” PLOS ONE, 2021. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0251056
- 厚生労働省社会・援護局総務課長ほか「社会福祉法第2条第3項に規定する生計困難者のために無料又は低額な料金で診療を行う事業等に係る運用上の留意事項について」平成30年1月18日. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3134&dataType=1&pageNo=1
- 国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
- 独立行政法人国民生活センター「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか なくならない歯科インプラントにかかわる相談」報道発表資料, 2019年3月14日公表. https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190314_1.html
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